「メダロット転送!」

ジジジジ ジジジジジ ジジジジジ
3体のメダロットが屋上に転送された。
始めようとすると突然、視界が暗くなる。

バサッ

「合意と見てよろしいですね?」

「ぎゃっ!レフェリー!」

パラシュートで降下してきたロボトルレフェリー。
思わずフウミが悲鳴を上げた。

「ただ今この勝負は三すくみの真剣ロボトルに認定されました。
最後まで機能停止しなかったメダロットが勝利となります!
各々方、準備はよろしいですか!?」

全員がコクンと頷く。レフェリーのお兄さんが勢いよく手を振り上げた。

「それではロボトルーファイトォ!」

「ブルーネク、右腕パーツで攻撃だ!」

バシャー

マングース型メダロットのブルーネクが、ネコ型メダロットに攻撃する。
頭パーツに溶解液が炸裂した。
『頭部パーツ、ダメージ30%、35%、40%。なおも増加中』

「プットキャット!頭突き!」

「ニャー!」

ガツッ

『頭部パーツ、ダメージ2%』
『頭部パーツ、ダメージ99%。機能停止』

チャリン

「へ?」

プットキャットがブルーネクに頭突きして倒れた。

「つ、次だブルーネク!」

ブルーネクがニワトリ型メダロットと対峙する。
こっちはセビトのメダロットか。

「クリムゾンキング、殴れ!」

コツン

こん棒がブルーネクに当たる。ダメージは、ない。

「ブルーネク、チャージ!」

キィィィィン

パーツの処理能力が高速化。
脚部の出力が上がり、ブルーネクの機動性が増した。
攻撃したばかりのクリムゾンキングは隙だらけだ。

「頭部パーツにメルト、突撃だ!」

バシャー

頭部パーツに攻撃して、さらに突き飛ばす。
吹き飛ばされたクリムゾンキングは着地も取れずに床に叩き付けられた。
『頭部パーツ、ダメージ99%。機能停止』

チャリン

「そこまで!ウエノタダシとブルーネクの勝利!」

パーツを持ってくるフウミとセビト。
オレはブルーネクと顔を見合わせてキョトンとしてしまった。

「パーツはいらない。もしかして、ふたりともロボトルやったことない?」

沈黙が続いた。
間を置いて、破ったのはフウミだ。

「実は勝ったことなくってぇー」

「譲り受けたばかりでな。さっぱりわからん」

セビトも白状する。
揃って、オレより年上なのに・・・。

「しょーがない。今度ロボトル教えてあげる」

「今度ぉ?」

そう、ここまで来てようやく気づいた。
セビトは察してくれたみたいだ。

「もうこんな時間か」

「じゃ、オレ急ぐから」

「いっけない。ウチも人事じゃなかった」

セビトに見送られてオレたちは階段を駆け下りる。
叱られるだろうな。でも、いっか。
なぜだか、悪い気はしなかった。

 

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