地下1Fの廊下の空気は張りつめていた。
十字路の三方に控えるのは軽量タイプのタラバクラバ。
それぞれ3体ずつ。格闘攻撃が得意な警備員のメダロットだ。
その後ろには2体と2人ずつ研究員とメダロット。
あり合わせのパーツで射撃と回復を担当。
前にはコピー用紙や本の山といったもろいバリケードが築かれている。

「パーティ!」

「おおおおおー!!!」

ドドン ポポポン

侵入者ランキが叫ぶのを皮切りにメダロットたちが突撃を始めた。
向かって左にはウタゲズキー。右にはオドロモンス。正面にはエディさん。
廊下の中央に陣取り射撃するのはコング2とイロイガンナー。

「味方に当てないように撃ち返すんだ!」

ドガガガガガガガ

バリケードに隠れて弾丸を発射する研究者たちのメダロット。
威力が低いか、あるいは精度が甘いのか。
侵入者側のメダロットの突撃を止められない。

「ケケケッ」

壁を走りながらカボチャの杖を振るオドロモンス。
脚部パーツを中心に攻撃されつつもトラップをしかけ続ける。

「降りてこいー!」

両腕をブンブン振り回してタラバクラバが怒鳴る。
格闘パーツのみで構成された彼らは近づけない相手には滅法弱い。
左の通路ではウタゲズキーが攻撃にさらされていた。

ガツンガツン ドカッ

全ての攻撃は防ぎ切れず、機能停止した右腕をぶら下げて反撃している。

「この!」

ブシュー

「う、うわっ!」

「やめろ!敵はあっちだ!」

うろたえるタラバクラバたち。
よろめきながら腕を振り回し当たり構わず攻撃をしかける。

ガキン ガコン

「くそっ。こいつ、守りが堅いぞ!」

正面通路で苛烈な攻撃を受け止めるエディさん。
左腕の盾でガードしながら右腕から弾丸を撃ち出して反撃。
援護射撃を受けながらタラバクラバの猛攻を凌いでいた。


「キャー」

チャリン

頭から落ちて倒れるオドロモンス。
背中のハッチが開いてメダルが排出された。
ランキはメダルを手に取り廊下を見回す。
メダロットたちは大幅に数を減らしながらも戦い続けている。
残るのはタラバクラバ2体と研究員のメダロットが3体。
そしてコング2、ウタゲズキーの7体のみ。

「コング2、下がってろい!」

オドロモンスにぶら下がっていたウタゲズキー。
頭部パーツの形を変化させ、逆さに落ちながら残るメダロットに狙いを定めた。
そこに障害物をどかしながらミジュウ博士が到着する。
途端にメガネの奥で目を見開き、叫んだ。

「アレは・・・デスブラスト!?」

バシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ

チャリン

3体のメダロットが倒れた。残り4体。

「えいっ!」

「ぐお!」

ドウンドウン

チャリン

着地失敗したウタゲズキーに弾丸が命中。メダルが落ちた。

「そらよっ!」

ドドン

チャリン

「う・・・」

コング2に撃たれ倒れる研究員のメダロット2体。
残ったのは彼ひとりだった。

「負けてしまった。もう、先に進むことは叶わないのか・・・」

手をついて歯ぎしりする警備員。
ランキは彼を見ていたがゆっくりと振り返った。
向かい合うのはメダロッチを構えたミジュウ博士とゾーリン。

「皆さん、ここはわたしに任せて早く下の階に!」

「博士!博士はメダロッチを持ってきていたんですね!」

「はい。お願いします!」

廊下を走って地下2Fへの階段に向かう警備員たち。
向かい合うランキとミジュウ博士の間には見えない火花が散っている。

「あなたはわたしが相手をします。ロボトルです!」

「ロボトォル!」

KBT型メダロットとKWG型メダロットが臨戦態勢を取った。

 

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