「ダンバーテン1、右腕。ダンバーテン2、左腕で車両型に攻撃するんだ」
「エイム、キリサキバサミ!」
「ランチャービート、Cロケットほう!」
ロボトルが始まった。
セイさんのリーダーはビンのようなパーツでもう1体に何かしている。
ランチャービートともう1体のダンバーテンは同士討ち。
エイムシザースの攻撃ははずれてしまった。
『右腕パーツ、ダメージ66%』
『左腕パーツ、ダメージ71%』
「やるね!」
「ありがとーございます!」
サキジとセイさんがニヤリと笑いながら戦っている。おれだって!
いきなり左腕パーツを使っても当たらないのがわかった。
それなら弱いけど右腕パーツを使おう。
「ハモンスナイプだ!」
バンッバンッ
2発の弾丸がダンバーテンに命中した。
いや、命中したはずだった。
「アンチエア攻撃か。格闘のみのメダロットかと思い込んでいたよ」
半透明な腕パーツの向こうでまったく動いてないダンバーテン。
ダメージを受けた様子がない。
「防御パーツ・・・」
「その程度の攻撃ではダメージを受けないのさ」
ゴッ
「マズいぞハヤノスケ。両腕をやられた!」
「もう!?あっちのダメージは?」
「片腕だけだ・・・」
険しい顔のサキジを見る。こいつがこんなに早く追いつめられるなんて。
アンミッパーの一時休止は機能停止しているパーツには効果がない。
ここはエイムシザースの出番だ。
「エイム、前に出てチームを守れ!」
「わかりました」
エイムシザースが機敏に動いて右腕で攻撃する。
バンバンッ
バサッバサッ
「何度やっても効かないよ!」
セイさんが言う通り、何回撃ってもダメージが与えられない。
それでもあっちの1体の動きを封じているのも確かだ。
「サキジ!」
「わかってら!ロクナナサンオー発射!」
ドゴーッ
速度の速いロケットが発射された。これなら!
ドゴン
『左腕パーツ、ダメージ99%。機能停止。頭部パーツ、ダメージ13%』
「そう何度も撃たせないよ。いけ!」
ゴツン!
『頭部パーツ、ダメージ99%。機能停止』
チャリン
「ああー!」
ランチャービートが機能停止した。これで2対2。
ピンチだ。でも、チャンスでもある。最後に防御パーツを破壊してくれたからだ。
「撃ちまくれエイム!」
バンバンバンバンバンッ
『頭部パーツ、ダメージ72%』
「させない!」
ブオンッ
ハンマー攻撃を回避するエイムシザース。
威力はすごいが大振りだ。簡単には当たらない。
しかしおれの考えは見抜かれていた。
「ダンバーテン、頭部パーツだ」
ピッピッピッピッ
リーダー機が止まっている。よし!
「今だ!」
「そこだ!」
ゴッ!
エイムシザースが動きを止めて銃を向けさせたと同時にハンマー攻撃が飛んできた。
『右腕パーツ、ダメージ99%。機能停止』
「なんで位置が!?」
「サーチしたんだろ。もう逃げられないぞ!」
サキジが言う。そうか、索敵パーツ・・・。
だからエイムの位置がわかったのか。
「サキジ君が説明してくれたな。一気に決めさせてもらうよ!」
心配そうに戦いを見守るアンミッパー。
そうだ。こっちにも特殊な機能をもつ仲間がいるじゃないか。
「アンミッパー、エイムにあのパーツを使ってくれ!」
「は、はい!」
ポーン
『左腕パーツ、機能停止』
「味方に攻撃を!?どういうつもりだ、ハヤノスケ君」
「作戦ですよ!」
驚くセイさんにおれはニッと歯を見せて笑って見せた。
「フッ、いいだろう。その挑戦、乗った!」
ガッガッ
『左腕パーツ、ダメージ30%、69%』
攻撃されるエイムシザース。
おれは冷や汗を流しながらその時を待った。
「耐えろエイム!」
ガッ
『左腕パーツ、ダメージ86%』
「どうした。ハッタリだったのか!?」
「まだだ・・・」
ハンマーが振り下ろされる、その時だった。
『左腕パーツ、最適化完了。ダメージ0%』
「いけ、エイム!」
ガキンッ
回復した左腕が大きく開き、攻撃態勢をとった。
油断していたリーダーに向かって走り出すエイムシザース。
ガチッ
はさみを閉じて無防備な頭部に食らいつく!
『頭部パーツ、ダメージ84%、90%、98%、99%。機能停止』
チャリン
「機能停止!アンミッパーチームの勝利です!」
レフェリーの人が声高々におれたちの勝利をたたえてくれた。